たまたま奈良に行く機会がありましたので、行ってまいりました後期展示。
前期展示にはそれこそ目玉であろう「金地螺鈿毛抜形太刀」が無かったんですよ。
いやー、良かった。
単眼鏡を持って入っている人がいなかったので、僕だけかぶりつきで単眼鏡覗きながら観てました。
ただ、螺鈿の剥落が結構多い。
「これが正倉院だったら…」と悔やんでいると、「裏も凄いから観てね!」のポップが。
お、裏も見られるようになっている…と、裏に回ると、「おおお!」っと思わず声が。
裏、すげぇ。
保存状態が断然良いのです。
膝をついて見上げるような角度になりましたが、周囲の人に変な目で見られながら、なめるように観てきました。
金と螺鈿が良く合うことは承知していましたが、いかにも平安時代!という感性は、なかなか新鮮でしたね。ロココだ。
次に良かったのは「沃懸地酢漿平文兵庫鎖太刀」。
いかにも鎌倉!という、簡素にして覇気横溢した姿は良い。そりゃネコちゃんの螺鈿細工してる公家さんは勝てへんわな。
3位は「黒漆山金造太刀 銘 国吉」でした。
最近南北朝や室町中期を好んで学んでいますが、とうとう人間の本性が表れてしまった時代だと感じていて、その無骨さと、それでもにじみ出てくる気品の高さは流石だと思います。
3月31日までの開催ですので、お時間が許す方は是非観に行ってみてください。
ただし!刀の照明や保存状態はお世辞にも良いとは言えないので、それなりに目がある人が行くべきかな。とは思います。
令和六年二月十七日
廣瀬智史 かく
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